所得税の申告や納税は、納税者の納税地を所轄する税務署で行うこととなっています。ここで納税地とは、納税者が申告、申請、届出および納税などをする基準となる場所または税務署が更正、決定および却下などの処分を行う場合の所轄を定める基準となる場所をいいます。国内に住所または居所を有する納税者の納税地は、その場合に応じ、それぞれ次のように定められています(所法15、16)。

(1) 国内に住所を有する場合…その住所地。ただし、国内に住所のほか居所も有する場合は、住所地に代えて居所地を納税地とすることもできます。
(2) 国内に住所を有せず、居所を有する場合…その居所地。
(3) 国内に住所または居所を有し、かつ、それ以外の場所に事業場などを有する場合…住所地または居所地に代えて、事業場などを納税地とすることができます。

このような、事業場などの所在地を納税地として選択した場合には、納税地とされている住所地または居所地を所轄する税務署長および事業場などの所在地を所轄する税務署長の両方に、住所地または居所地および事業場などの所在地、事業場などの所在地を納税地とすることを便宜とする事情などを記載した届出書を提出しなければならないこととされています(所法16 4.)。