自己が掛け金を支払っていた生命保険契約の契約期間が満期となり、これによって受領する満期返戻金によって生ずる所得の性格は、利子所得または配当所得に近いものですが、所得税法上これを利子所得、配当所得とする規定はなく、長期の掛金支払に基づく所得が一時に発生したのであり、対価たる性質もないところから、損害保険契約の満期返戻金に対する取扱いと同様、一時所得として取り扱われています(基通34-1(4))。

一時所得の総収入金額の収入すべき時期は、所得の性格上、現実に収入するまでは不確定であるものが多いところから、原則として、その支払を受けた日によることとされています。しかし、一時所得とされるもののうちにも、生命保険契約の一時金のように、あらかじめ契約によって定められている一定事実が生じたときに受けることができるものは、その収入すべき日も、その支払を受けるべき事実が生じた日によることとされています(基通36-13)。

なお、生命保険などの満期返戻金に係る一時所得の金額の計算は、その満期返戻金による収入金額からこれまで支払った保険料または掛金の額(既に受けている剰余金の分配や割戻金の額を差し引いたところで計算します。)を控除し(所令183 2.)、その残額から特別控除(50万円またはその残額のいずれか少ない金額)を差し引いて算出します。

更に、一時所得の金額を他の所得の金額と総合する場合には、その2分の1に相当する金額を他の所得の金額に加え、総所得金額を計算することとなっています(所法22)。